真言宗って何?歴史や岡山で信者が多い理由を解説

水運や温暖な気候に恵まれた岡山県は古代、吉備国として大和朝廷に並ぶほどの勢力がありました。
江戸時代には宇喜多氏や池田氏などの有力大名により、城下町として発展していきました
このように古くから歴史がある地域には、宗教も根強く浸透しています。
岡山で最も信仰されている宗教は真言宗
N H K民意識調査によると35パーセントの方が宗教を信仰しています。
無宗教者が多い日本で、あまり聞き慣れない真言宗が根付いているとは不思議ですよね。
ここでは真言宗について、また岡山で信仰が厚い理由を説明していきます。

真言宗をわかりやすく解説

真言宗は平安時代初期に空海によって開かれ、1200年以上に渡って受け継がれてきました。
それは「仏の行動を実行し心を清く保てば、生きている間に悟りを開ける」というもの。
簡単に説明すれば、自力本願によって即身成仏が出来る教えです。
そもそも「真言」とは、仏の言葉を意味しています。
真言宗において「真言」を唱えることは、この世界や事象に隠された意味を明らかにするということ。
自力本願の修行の中でも重要視されている行為です。

空海が宗教を開くまでの道のり

香川で誕生した空海は、幼い頃から聡明だったと言われています。
子供の頃から詩や漢語、儒教などたくさんの教養を学びました。
18歳で官僚を養成する学校に入りますが「出世ではなく、困っている人を助ける学問がしたい」と挫折。
山々で修行を重ねて僧侶になった空海は、宗教知識を深めるために唐へ渡ります。
帰国後は唐で学んだ密教を生かし、高野山で真言宗を開宗。
他にも井戸を掘るなど、地元の四国で人々を救うために尽力しました。

岡山で真言宗が多いのはなぜ?

岡山の藩主であった池田光政は、人々を迷わせる噂を流して荒廃する神社に見かねて寺社整理を実施。
そこでは神道を重視し、神と仏が混ざり合った慣習を是正する神仏分離を行いました。
また、岡山藩に深く根付いていた日蓮宗布施派も、国家の意に沿わないとして厳しく弾圧しています。
この整理によって岡山では宗派が整理され、神道色をもった真言宗が多く残ることとなったのです。